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健康医療のソーシャルコミュニケーションと「研究会」について

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「ソーシャルコミュニケーション」と「ヘルスコミュニケーション」
 (1)オープンイノベーションと社会との共創
 (2)ソーシャルコミュニケーション
 (3)ヘルスコミュニケーション
 (4)オープンイノベーションの研究会開催の予告

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(1)オープンイノベーションと社会との共創

国連が責任投資原則を定めて以降、ESG投資が意識されていますが、SDGs の実現に向けて企業の経済活動においても社会課題に取り組むことが当然となりつつあります。欧州では「責任ある研究とイノベーション(Responsible Research and Innovation)」が提唱されイノベーションの早い段階からの一般市民やステイクホルダーの参加が提案されています。平成 29 年版科学技術白書においても欧州の潮流として「企業、研究機関、大学等によるエコシステムの中に、市民や顧客、ユーザーをも巻き込んで社会的共通課題の解決を目指す動きが見られる」とし、この動きはオープンイノベーション 2.0 として位置付けられました。

このように、イノベーションにおける多様なステイクホルダーの参加が国内外において重視されてきていますが、この流れは、社会実装を確実なものとするために必要であるのと同時に、公的資金の用途に対する納税者の意識の高まり結びついてきています。

科学技術などに裏付けられた新たな企業製品やサービスが社会実装され、新たに価値が創造され、社会が変容していく過程においては、その企業製品やサービスを社会がどう受け入れるかが重要となってきます。また、社会の変容そのものが社会の構成員にとって明暗両面を持っている以上、各構成員がその明暗について理解を共有し、どのような社会が望ましいかを対話し、協働することがますます重要になるとも言えます。

(2)ソーシャルコミュニケーション

ソーシャルコミュニケーションは、行政によるパブリックコメントのほか、企業などによる社会との良好な関係を維持・創造するために行う対話や合意形成などのコーポレートコミュニケーション、そして、科学技術分野における科学技術コミュニケーションとしての対話やアウトリーチ、理解増進活動などが含まれます。行政や企業、政治家など社会に影響力を及ぼす者や権限を持つものが社会に対しての説明責任(アカウンタビリティー)も、その一つです。まちづくりなどでは、住民参加のパブリックインボルブメント(public involvement)や医療現場での患者や治験者に対するリスクマネジメントを含むインフォームドコンセントなど、業界や対象によって様々なコミュニケーションの分野や手法が存在します。従来の広報(PR)や広告などのコミュニケーションとは違い、地域のリビングラボやPPP、市民協働など「共創」を目的としているところからも、行政や研究者、企業側と市民を含む多様な主体の当事者間の直接的で、かつ双方向の対話型コミュニケーションか重要視されています。

(3)ヘルスコミュニケーション

医療現場では、医療スタッフ間のコミュニケーションや医療消費者と言われる患者や家族との信頼関係を確立するのためのコミュニケーション、医療消費者間のコミュニケーションなどが「医療コミュニケーション」と言われ、その重要性が増しています。インフォームドコンセントもその一つとなります。医療コミュニケーションは国際的にはヘルスコミュニケーションと言われています。また、食育同様に国民の医療や健康に対するリテラシーを高めることは、自らの健康を自らで維持することに繋がります。間違った健康習慣や過度な不安への対処、如いては、医療費の削減にも結びつくことになります。これまで、ヘルスコミュニケーションは医療従事者を中心として推進されてきましたが、健康や医療に結びつく食や運動、睡眠、ライフサイエンス、バイオなど幅ひろい領域の研究者の科学技術コミュニケーションとして、また関連する企業のCSR、コーポレートコミュニケーションとして、行政の広報活動としても重要な活動となります。それは、情報の発信、理解増進から、対話や共創のためのコミュニケーションとなることから、解りやすく、行動変容に結び付く、広く効率的な情報発信や情報収集を可能とする、費用対効果が高い、そして対話や共創を促進する様々な技術や人材、実施主体が必要となります。そこで、医療健康分野の研究者や企業とクリエイターやジャーナリスト、メディアや教育関係者、患者支援団体などが、共創できるオープンイノベーションのプラットフォームや拠点の形成が必要となってきます。また、モデルとなる幾つかのプロトタイプ事業の実施も有効と考えています。

(4)オープンイノベーションの研究会開催の予告

ソーシャルコミュニケーションの推進、特にヘルスコミュニケーションをテーマとしたオープンイノベーションのプラットフォームとなる研究会や活動拠点の形成を進めています。この研究会では、社会や地域、医療消費者との対話や理解増進、普及啓発などに結び付くヘルスコミュニケーションの学問体系化、関連事業者や産業の育成、社会実験などを推進するためセミナーやワーキングを開催致します。併せてプロトタイプモデルとなるようなプロジェクト推進のために、コンテンツや施設(科学館や博物館的な機能施設など)の開発計画と社会実装として参画頂く学会や大学、研究機関、企業、NPOなども募集する予定です。

2025年日本国際博覧会にも結び付けるプロジェクトとして想定しています。万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」“Designing Future Society for Our Lives”、そしてサブテーマが、Saving Lives(いのちを救う)、Empowering Lives(いのちに力を与える)、Connecting Lives(いのちをつなぐ)となっています。万博のコンセプトは、-People’s Living Lab-「未来社会の実験場」であり、本研究会の目標として最適なイベントと言えます。

現在、研究会やプロジェクトの説明会や関連セミナーを予定していますが、コロナ渦での開催方法などを検討しているところです。既に、ソーシャルコミュニケーション研究会に対してご関心ある方に、後日の説明会のご案内をお送りするための申し込みを開始しておりますが、引き続き「ヘルスコミュニケーション研究会(仮称)」としての以下に関心表明のための記載フォームを以下に添付させていただきます。

■想定テーマ
・ライフサイエンス、人体、医療、健康、創薬、栄養、食、運動、睡眠、バイオ

■想定する施設プロジェクト
 ・健康医療ミュージアム、未来医療ミュージアム(仮称)
  健康医療に関わる研究者(大学や研究機関)や事業者(医療健康関連機関や企業)と社会や市民、こどもを結ぶ施設として想定
 ・ヘルスコミュニケーションのクリエイター等育成、共創、コワーキング拠点

■対象者
 ・コミュニケーション業務(広報、広告、PR、媒体、印刷等)関係者
 ・コンテンツ制作関係者 (デザイン、コピー、映像、web等)
 ・教育、教材関係者 (サイエンスコミュニケーター含む)
 ・施設計画、ディスプレイ施工関係者
 ・博物館、科学館、図書館等関係者
 ・医療、健康関連に携わる方 (教育、研究、企業、NPO等)
 ・患者支援機関、教育支援機関
 ・ライフサイエンス研究機関等
 ・その他